〈スナック Y〉
大阪天王寺下町の一角に、半世紀変わらぬ佇まいのその店はある。
軒下に吊下げられた赤提灯は、過ぎ去りし昭和の面影を映すように
夜の路面をオレンジカラ-で染めている。
白いドアを開けると、店内は時代を感じさせるカウンタ-と7席ほどの椅子
そしてカウンタ-背面のボトル棚が目に入る。
かつてはママに、〈東京だよおっ母さん〉をリクエスト
聴いては亡き母を想い、涙した。
そして今、その娘2代目ママに〈風の盆恋歌〉をリクエスト
聴いては亡き妻を想い、涙する。
旧き良き昭和の時間が流れるスナックが、いまも此処にある。